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緑の扉

ここは夢の世界。。。を抜けた、共通の無意識の混在するところ。

共通の無意識は、文字通り、共通する無意識

人は必ず誰かと繋がっている。

誰かと誰かの関係性の中に、そこから連なる誰かと誰かの関係性が潜んでいる。
個々の扉は、誰かと誰かの関係性から繋がる、誰かと誰かの関係性に繋がる扉
個々の扉と言うことではない。

その扉を開けることが出来るのは、誰かと誰かの関係性から連なる、誰かと誰かの関係の鍵を持っていれば入ることが出来る。
現実的な話で説明するとするのなら、
友達の友達と仲良くなる趣味や話題、人間的な要素を自分が持っていると言うこと。

扉は個々に続くもので、
個を晒すものではなく、個人という特定のところではない。

あくまでも共通の関係性の扉と言うことだ。

個を暴くつもりで扉の奥を探るならば、それ相応の醜さが表れる
が、しかし

その醜さは残念ながら自分の中のものの可能性がある。

その扉は、共通の無意識の中の出来事であり、
そこを歩くのはあくまでも「自分」なのだから。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

当てもなく歩いていると、たくさんの扉が、ゆらりゆらりと現れては消えていく

見えるのは可能性
でも、
定かではないのは、まだその時ではない。ということなんだろう。

天も地も曖昧なここでは、
自分が歩けると思った場所が歩ける場所になる。

ひっくり返った緑の扉が、存在感を持ち始める。

厚い木で出来た扉は、私にはよくわからないが、彫りの深い模様が彫られている。
少しホコリを被っているような、日に当たりすぎたような
くぼみの間と表面の濃淡の差がある。

少し触ってみたら動きそうだ。

これは開きそうだ。。。

私が鍵を持っていればその扉は入ることが出来る。

自らの天地をひっくりかえして
慎重に扉を押した。

思っていたよりも重たい。
さび付いた音がぎ…ぎ…と鳴って、緑の扉はゆっくりと開いた。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


「ようこそ。私の部屋へ」
きちんとした身なりの紳士が突然の訪問者の「私」を迎え入れた。

彫りの細工のした緑の部屋の扉にふさわしく、濃淡のある、緑の壁に緑の絨毯が敷き詰めてある。

よくわからないけれど、アンティーク風というのだろうか?
木の細工彫りのした調度品が部屋に並ぶ。

不思議なことに窓はない。

「私」は思った
これは「彼」との関係性の部屋だなと。。。

その証拠に、
私は人形を持っている。

大きな大きなお人形。

そして、身なりのきちんとした紳士の横にも、
同じように大きな人形があった。

紳士は、
まるでゴシックの世界の紳士のような。
王子様のような格好をしている。

隣には大きな乙女の人形が立っている。
金の髪を豊かに腰まで伸ばして。
たくさんに着込んだ、ウエディングドレスのような白のドレスは、ふんだんに薄手のレースが使われている。

彼女を前にして、紳士は大きな羽根帽子を目深にかぶり、
嬉しそうに
そして饒舌に

自分の人形を自慢している

「私のドールは世界1美しい。そう、こんなに美しいドールは居ません。
美しい金の髪、白磁のような肌。
瞳は、匠の作ったこの世に一つしかない目を入れているのですよ
服は全て絹で出来ていて、、、、
、、、そのどれもが、彼女にふさわしい。そう思わないかね」


ええと、、、そうですねぇ・・・

「私」の目は宙を泳ぎ気味に。やや曖昧に呟いた。

ドールの主人は
基本的にうちの子が一番可愛い。

うちの子が可愛いから。
よそのうちの子も可愛い。

うちの子自慢はドールの主人の性なのだ。

でも…

「私」は、自分の人形を隠すように、少し前に出た

「どうした?怖いのか?」
「私」のドールが囁くように呟いたので、「私」は無言で頷いた。

怖いという感情の時、普通はナニカに隠れるのが普通なのではないかと思うのだが、
仮に「私」のドールに隠れて、「私」のドールにナニカをされる方が恐ろしかった。
なんだか分からない違和感を感じる。

手のひらはじっとりと汗を掴んでいて

「私」のドールはそっと、「私」の手を握った

「大丈夫。私が付いているよ。彼を刺激しないようにしてここを出よう」

「私」のドールは謡うように囁いた。
その声を聞いて少し安心する。
同時に、
ここはとても危うい世界であることを感じているのが分かった。

この部屋の主は。。。仮に伯爵としておこう。

どちらかというと、彼の方が人形臭く見えた。
帽子に隠れた顔は、どちらかというと白塗りの道化師の様。
となりにいる白磁の肌のドールの方が生者のようにも見える
そして、何度もなんども、壊れたレコードの様に同じ話をしている。

その彼のドールはというと、
彼が体を震わせて全身で彼女を語る度、
美しい顔を不安げに曇らせながら、目をキョロキョロと、「私」と、「私」のドール。そして、主である伯爵を交互に見ていた。

ああ、そうか。

不安そうな彼女を見て、
違和感のナニカを掴んだような気がした。

伯爵は彼女を見ていないんだ。。。

伯爵は彼女の美しさを語っていたけれども、そのうちの脆弱な心の内を知らないのではないだろうか

「私」のドールの手をぎゅっと握りしめたのと同時に、
微動だにしなかった彼女のてが、カタカタと動いた

「…ア…あ。。。」

呻くようにナニカを口にしたが、言葉にならなかった。

伯爵は興奮に拍車がかかり、身振り手振りをつよくして、更に更にナニカを自慢げに話をしている。

「こんな事ははじめてだ。私の彼女が誰かにはなしかけるなんて!
素晴らしい。彼女はとても機嫌が良いようだ。いつもどんなときでも無言でいることの方が多いというのに!
ああ、今日の今、この記念に、私の彼女を抱きしめてやってください!ほら、行きなさい。」

…自分で抱きしめるんじゃないのかよ。。。
と、ちょっと脳裏を掠めたが

何事もなかったように、「私」と「私」のドールは彼女とハグをした。

彼女はとてもよい香りがする。
ふわりと薫る薔薇の香り

きっと伯爵の言うとおり、とても上等の香水なのだろう。
でも香りが素敵なだけに、ナニカを隠しているように思える。

ふっくらとした胸元を隠すように、大きくて金属の細工が見事なネックレスがキラキラと輝いていたけれども
細身の彼女にはとても重そうだった。

髪もよく手入れされている。。。かとおもえば、下の方は絡まっていた。
髪の横には輝く宝石の髪留めが留まっているのに。

「私」が彼女から離れると、彼女は切ない顔で伯爵の方を向いて、カタカタと両腕をのばした。

伯爵は気がつかない。

先ほどからの何度目かの「彼女の美しさ」を語り続けていた。

まるで壊れたお人形のようだ。
しばらく、伯爵の録音テープを聴いていたが、
「私」と「私」のドールは会釈をしてそっとその場を後にした。

きっと、彼には何も映っていないのだろう。

「私」も、「私」の人形も、「彼」の人形も

彼女は抱きしめて欲しかっただけなのだ
ただただ、
大好きな人に抱きしめて欲しかっただけなのだ。
どんな美しい服も、調度品も、アクセサリーも
彼女を着飾らせるには十分であったが
その分の愛情は、少々足りなかったようだ。

彼の目は目に見える美しさだけが映り、
見えない、本当は美しいものの曇りが見えなかったのかもしれない。

私も、、、そういうところがあるのかな。。。わかんないだけでどこかにあるんだろうな。多分。。。

そう思いながら

「私」はまた。
天も地もない空間を歩いて行った。
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